ラグの重要性
時計のケースとブレスレットをつなぐ「ラグ」。ラグは「一体感の知覚」をコントロールするので時計の印象の大部分を決める重要なパーツです。単に接続するだけではなく視線をスムーズに流す「橋渡し」として機能し腕時計全体のデザイン哲学を体現しています。腕時計の印象の7割くらいを決める影の立役者といっても過言ではありません。短く薄いラグは一体感を強調し角ばった長いラグは別体感を際立たせます。装着感や重心の安定性にも大きく関わるため,見た目だけでなく実用面でも重要な存在です。ロイヤルオークやオーヴァーシーズのラグ,ケースからブレスまで一体成型のようにデザインされ異なる素材のブレスでも一体感が失われない。まさに工学設計の美学が形になった瞬間です。他のモデルはいわゆるラグスポモデルでもどこか一体感が弱く感じられることがあります。ラグは時計デザインの影の立役者。見過ごされがちですがデザインの魔法を生み出す重要なパーツであることを改めて認識したいですね。ちなみに時間構造のラグ(タイムラグ)も同じ機能があると思います。自己相関係数の遅延タイムラグのことでございます。自己相関係数の遅延タイムラグで神経活動の時間構造パターンも決定されてきますからね。